全国保証/住宅ローンに保証は必要か?

企業分析

全国保証は独立系の住宅ローン保証会社です。
同社は営業利益率が80%超と上場企業でトップ5に入る高収益企業です。同社の株価はここ半年かなり下落してきており、株式取得を検討していますが、やれ金利だ、やれラダー型ポートフォリオだ、やれデュレーションだと、いかんせん金融ビジネスに疎い自分には理解がしがたいビジネスです。

出典:株探

住宅ローン保証というビジネスモデルは永続するか?

住宅ローンを組んだことがある人の場合はよくわかると思いますが、住宅購入を希望する人(顧客、保証委託者)にとって、住宅ローン契約時に保証会社に対して保証料を払うことで、金融機関と住宅ローンが契約できます。ビジネスモデルとしては、有価証券報告書の以下の図解がわかりやすいです。

出典:2022年3月期 有価証券報告書

図解のとおり、顧客は保証料を全国保証に支払いますが、その見返りとして平たく言うと全国保証が保証人になってくれて、結果的に顧客は金融機関からお金を借りることができます。

私的にはここがしっくりきません。

確かに顧客は保証料を払うことで金融機関から借り入れをできるという面で便益を得ているのですが、金融機関側のメリットの方が大きいと思ってしまうのに、金融機関はその対価を支払っていないのです。金融機関は全国保証が保証してくれるので、もし顧客への貸付が回収不能となった場合でも全国保証が代わりに返済してくれます(代位弁済)。なのに金融機関はそのメリットに対して、対価を払いません。すごくモヤモヤします。

このビジネスのモヤモヤはとまりません。金融機関としては保証会社が保証することで、顧客の信用リスクを下げることができるので得られる金利は下がります。逆に言うと保証をなくしても顧客の信用リスクに応じて金利をとればいいではないかと思ってしまいます。顧客からすると、高い金利を金融機関に払うのか、低い金利を金融機関に払い保証料を保証会社に払う(結果は両者のトータルは同じ)の違いにすぎません。こう考えると、保証会社って必要なのかな?と思ってしまいます。

あと、気になることとしては、最近、ネット銀行を中心に保証料不要の住宅ローンが増えてきている点も気がします。これも結局、保証料を払わない代わりに手数料という名目で保証料に相当する金額がとられたり、金利にその分が上乗せされていたりと、保証会社がなくても住宅ローンが組めることに対する証左ではないかと思ってしまいます。このあたり、私が正確にビジネスを理解できていないだけかもしれませんが、、、

金利上昇局面での業績への影響(金利上昇のリスク)

直近の株価下落の要因は「金利上昇」だと思います。

出典:2022年3月期 有価証券報告書

住宅を購入したことがある人はわかると思いますが、住宅ローン金利の上昇によって、住宅の購入意欲は確実に下がります。住宅の販売戸数が減れば保証件数も減少するので同社の業績には負の影響があります。また、変動金利で住宅ローン金利を組んでいる人は金利上昇によって返済額が増加し、返済不能となり同社の代位弁済というコスト増加要因にもなりえます。

簿記で習った仕訳 (借方)保証債務見返 /(貸方)保証債務

同社の保証債務残高約15兆円はバランスシートには計上されていません。これは債務保証が偶発負債であるものの、損失の発生可能性が低いなどの会計上の負債の要件を満たさないことが理由です。

仮に保証債務15兆円をバランスシートに計上したとすると、資産サイドには保証債務見返という勘定科目で同額が計上されることになります。この仕訳は備忘記録的に仕訳するものだと簿記の学習では習いますが、実際に計上してみると結構しっくりきました。自己資本比率1%台とがぜんバランスシートが金融機関っぽくなり、資産サイドでもこの保証債務見返勘定という資産から収益を得ているということになりますので、15兆円の資産から薄く0.3%金利を得ていることがわかり、これも金融機関っぽい数値です。

まとめ

同社は収益性が非常に高く、そしてストックビジネス(バランスシートに計上される前受収益169億円、長期前受収益1,698億円 ※ともに2022/3期実績 は、来期以降毎期毎期収益計上されていきます)で安定性が高い点は非常に魅力的です。

一方で、本当に顧客に価値があるのか、保証を受けないと借入できないという意味では顧客に価値があるのだろうけど、保証がなくても住宅ローンの借り入れができるような気もしており、事業の永続性という点で疑問も多いように感じます(とはいえ、そう簡単に世の中の仕組みは変わらないと思いますが)。さらに、最近の金利上昇の影響も読めないというもあり、金利上昇が一服するまでもうちょっと様子見してみたいと銘柄でした。

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