オムロン/粗利を使った管理部門の現場とのコミュニケーションの大切さ

企業分析

2021/4/27、オムロンの2021年3月期決算が発表されました。オムロンは企業価値を重視したROIC経営で有名ですが、立ち返って同社の決算説明資料を見ると、一企業の経理担当者としても管理部門の果たすべき役割の大きさを実感します。

オムロンの2021年3月期決算説明資料より

決算説明会 | オムロン
オムロンの決算資料や財務情報を掲載しています。

以下スライドの出典:2021/4/27 2020年度 決算 投資家様向け説明資料

経理担当者としての気付き:粗利を使ったコミュニケーション

上のスライドの1枚目のとおり、オムロンは売上総利益率(粗利率:GP率)を重視しています。そしてオムロンの経営管理がうまいなと感じたのは、粗利率をさらに付加価値率と製造固定比率に分解していること。経理の人間からすると、変動費と固定費に分解するのは管理会計上の常識なのでその点は特に驚くこともないのですが、変動費の部分を付加価値率と言い換えている部分がなるほどを思わせます。

当たり前ですが、粗利率を高めていくのは販売単価を高めるか、コストを削減するかしかありません。変動費率とか言ってしまうと、どうしてもコスト削減に目が行ってしまうので、営業部門や開発部門に対するメッセージとしては弱いものになってしまいがちです(製造部門へのメッセージが強い)。付加価値(中身は販売単価ー変動費ですが)と言い換えることで、顧客に価値の高いものを届け、販売単価を上げていこうという思いを営業・開発部門と共有することができます(もちろんKPIとして管理される)。

オムロンは製造業ですが、単にコスト削減にだけを軸足を置かず、販売価格を高め粗利率を向上させ、結果的に企業価値を向上させていくうまいやり方だなと感じました。

製造部門の担当者にとって日々現場で働いているだけではコスト低減がはかれているのかわかりません。営業部門の担当者にとっても、自分が顧客のニーズを吸い上げて顧客により付加価値が高い製品を届けているのかは、日々の業務の中ではわかりません。そこで、管理部門が経営成績として決算数値で可視化した形で、現場とコミュニケーションを図り、企業価値向上に向けての現場のかじ取りをしていく、という管理部門の重要ミッションを改めて実感しました。

株価水準 2021/4/30現在 (出典:株探)

コロナでオムロンの体温計が連想されたのか(ヘルスケアセグメントのオムロン全体に占める割合は売上高で約2割、営業利益で約3割とそれほど大きくはありません)、コロナ後の最安値(4,400円)から2倍という高値水準にあります。

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