【企業分析】5186ニッタ/好業績で株主還元やIRにも積極的な低PBR銘柄

企業分析

最近は低PBR銘柄を中心に見ていますが、本日は産業用ベルト・ゴム製品のニッタを取り上げます。PBRは0.63倍で予想PER8.2倍と割安株と言っていいでしょう。この銘柄が割安な理由について見ていきます。

出典:マネックス銘柄スカウター

利益の半分を占める持分法損益に関して

ニッタは営業利益に比べ経常利益が大きいことが特徴です。決算短信を確認すると、持分法投資損益が大きいことがわかります。主に自動車業界向け事業を行う合弁会社(GUAグループ)と半導体業界向けの事業を行う合弁会社(NDグループ)の2社が大きいようです。過去15年の営業利益と経常利益のギャップが持分法損益だとして、毎期安定的に利益が計上できる会社なのだと思います。ちなみに、半導体向け事業のボラティリティが大きいのではないかということで株価が割安となっている可能性もありそうですが、この15年推移を見る限り事業は安定していると感じます。

出典:マネックス銘柄スカウター

有価証券報告書を見ると、それぞれの持分法適用会社がどのような会社か記載されています。

出典:2022年3月期有価証券報告書
出典:2022年12月期決算説明会資料より

キャッシュフロー計算書の利息・配当金の受取額は両合弁会社からのそれを思われます。合弁会社から配当が還流されている点は良い点です。この2社からの配当金収入が、ニッタの強固や営業CFを支えています。

出典:2022年3月期有価証券報告書

低PBRは解消されるか?

自己資本が厚すぎます。キャッシュの獲得能力が高く、ここ3年は自己株式の取得等の株主還元も積極的に行うものの、キャッシュがたまる一方です。それほど大きな投資もなく、さらなる株主還元を行わない限り、自己資本とキャッシュは厚くなるばかりです。今後数年利益の100%還元みたいな思い切った還元策を行ってくれないかなと個人的に期待しています。

出典:マネックス銘柄スカウター
出典:マネックス銘柄スカウター

サステナビリティ等の開示は先進的

あと、個人的に気になったのが、有価証券報告書がかなり先進的なことです。サステナビリティ関連の開示を含め、この規模の会社にしては珍しく、意識は高い開示です。ただし、開示の中身はほぼないです。どこの会社でも当てはまるような内容で、特に自社の置かれた立場を分析したものではなく、この会社がサステナブルなのかの判断もできないものです。意識だけが先行して表面上だけ取り繕った開示感が滲み出ています。ただ、ここまで行きつかない会社も多い中でまずは開示しようという意識だけはプラス面のように感じます。

出典:2022年3月期有価証券報告書

IR開示の重要性が認識しているようですので、自身が低PBR銘柄である認識、それを是正しようという想いもあるでしょう。さらにもう一段踏み込んだ株主還元に出てくる可能性を感じます。

賃貸不動産開示より、不動産の含み益があります

不動産の含み益を加味すると、実質PBRはさらに下がることになります。

出典:2022年3月期有価証券報告書

買収防衛策の導入

株価が評価されない理由はこれですね、、、近年は買収防衛策をを廃止する企業も増えてきていますし、今後の期待という意味ではプラス要因です。

出典:コーポレートガバナンス報告書

まとめ

事業の安定性、キャッシュフローの獲得能力、株主還元、開示の積極性、かなりいい銘柄ではないかと思います。買収防衛策の導入が低PBRの原因であることは間違いないのですが、それが撤回されるようであれば株価は見直される気がしています。

なお、数年前に東洋ゴムから化工品事業を譲り受けているようですが不祥事(品質データ偽装)のあった免震ゴムは譲り受けた事業には含まれていないようです。

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