<Nスぺ>”中流危機”を越えて から学ぶ管理会計

経理/会計

こちらの動画を見ました。2回シリーズの1回目です。

“中流危機”を越えて 「第1回 企業依存を抜け出せるか」 - NHKスペシャル
かつて一億総中流と呼ばれた日本で、豊かさを体現した所得中間層がいま、危機に立たされている。世帯所得の中央値は、この25年で約130万円減少。その大きな要因が“企業依存システム”、社員の生涯を企業が丸抱えする雇用慣行の限界だった。技術革新が進む世界の潮流に遅れ、稼げない企業・下がる所得・消費の減少、という悪循環から脱却で...

稼げなくなった日本企業が終身雇用・年功序列型の制度からの転換を図ることが必要だという番組の主張に全くの違和感はありません。ただ、企業が価格競争に晒されて、従業員の賃金を削っていかざるを得ないという話のストーリーの中で、価格競争が企業がコントロールできない何か外部要因のようなものとして語られる点には違和感を感じました。競合に真似ができず顧客にとって付加価値の高いものであれば価格競争には巻き込まれないはずです。

ところで、番組の中でエアコン部品を作る中小企業が取り上げられていました。同社が提供する部品に中国企業が参入し、顧客から大幅な値下げ要請があり、この仕事を利益ゼロで受注せざるを得ない、みたいな話でしたが、この企業が会議で議論していた「利益」はどの段階利益なのか気になりました。

管理会計の世界では、受注をすべきか否かの意思決定は、変動費のみを差し引いた限界利益で判断すべきであり、そこから固定費も差し引いた製品利益・売上総利益で行うべきではありません。限界利益がプラスなのであれば受注によって固定費回収も進むためたとえ製品利益が赤字でも受注すべきとなります。ただ、この企業が従業員250人で年間売上高30億円なので(従業員1人当たり売上12,000千円)かなり固定費比率の高いビジネスです。限界利益がゼロで受注しようとしているとしたら、よっぽど低廉な価格での受注であり、もうビジネスの体をなしていません(顧客にとっても付加価値が非常に低いビジネスです)。

上場企業であるJVCケンウッドも取り上げられていました。顧客にとっての付加価値の低い従来ビジネスからより高いビジネスに事業ポートフォリオを変えていこう、従業員を新しい事業に従事させれるよう新しいスキルを身につけさせようという同社の取り組みでした。

出典:株探

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