2021年に上がりきった銘柄ではありますが、直近の決算が好調で、株価的にも値ごろ感が出てきた大真空社について調べてみました。大真空は電子部品に使われる水晶デバイス専業メーカーで、需要予測に対応するため大型増産投資中です。

水晶デバイス市場の将来予測
水晶デバイス市場の市場予測に関する記事をいくつか集めてみました。
2028年まで水晶発振器の市場はCAGR5.54%で成長↓

2026年まで水晶発振器の市場はCAGR2.2%で成長、アジア地域での急速な成長、主要プレーヤーとして大真空社も紹介されています。↓

水晶発振器は成熟化しており、これ以上の性能向上やコストダウンは限界との指摘も。また、それに代わるMEMSというシリコンを用いた代替技術も。↓

こちらは22年のみの予想ですが、過去の市場環境の推移について詳しく書かれています。↓

設備投資が急増
将来の旺盛な需要予測に対応する形で、設備投資を加速させています。言わずもがな、設備投資は不可逆的な意思決定です。需要予測が下振れするようなことがあれば、重い固定費負担で業績が逆回転し始めます。需要予測を正確にとらえられるか、半導体業界と同じでこちらも素人が触ったらダメな業界なのかもしれません。

人員数は減少傾向で工場の生産性は向上
マネックス銘柄スカウターを見ていて、人員数が右肩下がりで減少している点が気になりました。有価証券報告書で調べてみると中国とアジア(主にインドネシアの工場)の人員数が減少しています。5年前と比べて約1割の削減なので、工場の自動化・効率化というのは徐々に進んでいるのでしょう。生産性の向上は見て取れるように感じました。

同業他社比較(主に日本電波工業)
水晶デバイス業界の同業他社は、エプソンや村田製作所、それから日本電波工業です。
日本電波工業は我々経理屋にはおなじみで、日本で初めてIFRS適用をした先駆者です。銘柄スカウター上でも2009年からIFRS適用していることが確認できます。そしてこの会社、過去15年の業績を確認すると定期的にやらかしてますね。IFRSですので、固定資産の減損損失が営業利益に含まれてます。あとは、棚卸資産評価損などの計上など、定期的に業績悪化のプレスリリースを出しています。業界的にも需要予測が困難なことがわかる業績推移でした。

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