本日取り上げるのは自転車のあさひです。コロナ特需のあった2020年に業績・株価とも上昇しましたが、その後業績は特需の反動を受け、株価も下落基調となり適正水準と思われる水準まで落ちてきました。業績の推移はコロナ特需の部分を補正するとキレイに右肩上がりですね。

あさひのPL構造:同じSPAモデルのニトリ/ファストリとの比較
あさひはSPAモデルを採用しています。小売店舗で顧客と接点を持ち、顧客の声を商品開発に落とし込み、中国を中心とする海外協力工場で生産を行います。それにより自社ブランドの自転車をお手頃な値段で顧客に届けることができます。
同じくSPAモデルを採用する家具のニトリ、衣服のファーストリテイリングのPLと比較してみましたが、概ね同じようなPL構造をしています。若干ですが、あさひの販管費率が高く、その分営業利益率が低くなっています。あさひの販管費の大半が人件費です。店舗での自転車メンテナンスを行う整備士等に人員を多く割り当てる必要があるのでしょう。その分、その結果従業員一人当たりの営業利益はニトリやファストリと比べて低くなっています。



あさひの今後に関する妄想
あさひの売上の伸びは店舗数を増加させてきたものです(高単価商品の電動自転車が伸びており1店舗あたり売上も伸びているので店舗数だけが原因ではないのですが)。この日本国内においてこれ以上店舗を増やすことは可能なのでしょうか。同社の開示資料なんかを読んでいると、これまでは郊外型の店舗が多かったところ今後は都市型フォーマット店舗を増やしていくことや、既存店とECの融合なんてことが記載されています。
これまでの自分と自転車の関係を振り返ると、私はあまり自転車のメンテナンスをせず自転車に乗っており、物売りからの脱却は難しいのではと思うし、またECで自転車を買うというのもあまり想像ができません。やはり既存店の収益性の維持と新店による収益拡大というのが今後の展望ではないか(新規出店が継続できるかにかかっている)と思ってしまいます。
また、冒頭の通期業績の推移ですが、特需のあった2021/2期を除き営業利益率が低位で安定している部分も気になります。店舗数も多くなってくるとSPAモデルでスケールメリットも効き利益率が上がってきそうですがそうはなっていません。スケールメリット以上に部品価格上昇などのコスト増、輸送コストや為替の影響があるのかもしれません。
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