【企業分析】9251 AB&Company/顧客は誰かを考える

企業分析

最近のマザーズ市場急落を受けて、優良なグロース銘柄がないか探しています。
必ずもう一度マザーズのターンが来ると信じて。。

本日は、最近調べているAB&Companyという会社を紹介します。

投資家情報 | AB&Company
株式会社AB&Companyの投資家情報をご覧頂けます。

同社は直営での美容院の運営と、美容院のフランチャイズ事業、それと美容院の店舗デザインや設計・施工を手掛け、2021/11/19に東証マザーズに新規上場した会社です。

2021年10月期の決算説明資料(https://pdf.irpocket.com/C9251/E30d/FGIo/gepZ.pdf)の企業理念を見て、まず、この会社に興味を持ちました。

企業理念とビジネスモデルの整合性

出典:2021年10月期 通期決算説明会資料より

『「スタイリストファースト」を信念に・・・』というのは、ちょっと違うんじゃないの??、、と決算説明資料の初めから頭の中に??がいっぱいです。

美容院の運営を行う会社ですから当然に、その店舗に来るお客さんが顧客であり、その顧客に対してどういう価値を提供し、その価値に対して「対価」つまり収益を得ると考えるのが普通ですから、顧客を第一に考えない、自社の従業員を第一に考える、と言っているこの企業理念は普通じゃないなと、まず違和感を持ったのが正直なところです。

その違和感というか疑問は、同社のビジネスモデルを考えると、すぐに解消しました。

同社はフランチャイズ展開を行っており、同社の収益・利益の大半はフランチャイズフィーからなります。そして、ここが面白いポイントですが、同社のフランチャイジーは、同社グループ所属のスタイリストから内部昇格させる形でフランチャイズオーナーに就任、フランチャイズ契約をしています。

つまり、AB&Companyとしては、所属のスタイリスト(フランチャイジー)に対して店舗運営サポートというサービスを提供し、その対価としてフランチャイズフィーという収益を得ているビジネスです。

顧客はフランチャイジー(フランチャイズオーナー)なのです。

フランチャイズオーナーは、経営者でありながらスタイリストというプレイヤーの側面もありますから、自らはスタイリストとして自らの顧客(お店にカットに来る人)に対するサービス提供に集中し、その周辺業務である集客・マーケティング(ホットペッパーなどのWEB集客?)、スタイリストの採用や店舗の運営管理といった業務は同社に任せることができる。そういうところはやりたくないでしょうから、フランチャイズオーナーにとってそれは大きな便益・メリットになる。

出典:事業計画及び成長可能性に関する説明資料より

AB&Companyとしては、フランチャイジー(スタイリスト)へのサポート業務を行うにあたって、フランチャイジーの数・店舗数が増えてくると、スケールメリットがかなり享受できるのではないでしょうか?ホットペッパー(リクルート)などの交渉相手に対しても相当なパワーを発揮しているような気がしました。

企業理念にもあった、スタイリストファーストで、スタイリストの処遇を改善していく、というのは何らの誤りもビジネスとの不整合も違和感もないものとわかりました。創業者(社長)がこの会社を始めた時の想いから、スタイリストの課題解決、マネタイズまでがうまくつながっているなという印象です。

まとめ

今回は顧客は誰か?という視点でビジネスを考えると面白いなと思ったので記事にしました。

ちなみに、同社の決算書をみるとバランスシートに多額ののれん・無形資産が計上されています。これは、創業者がファンドに事業を売却し、ファンド側の会社が今のAB&Companyとなっていることから事業買収時ののれんがバランスシートに計上されているということです。喫茶店のコメダも思い出しました。それと、同社はIFRS適用企業であり、毎度思うことですが、店舗の賃料がIFRS16(リース)により営業キャッシュフローが日本基準適用会社より大きくなるのは、なんとかしてほしいなーと思います(日本基準もはやくIFRSに追いつき、基準差をなくしてほしい)。

参考(株価水準:2022/1/21時点)

出典:株探より

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